【介護業×特定技能】介護業界の救世主!介護の人材不足は、外国人材で解決!

コラム
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~特定技能制度の活用で、施設もスタッフも利用者も笑顔に~

日本の介護業界は、高齢化の進展という大きな波に直面しています。
高齢化に伴い介護需要は増加の一途を辿る一方で、少子化により労働人口は減少しており、深刻な人材不足に陥っています。

厚生労働省の調査によると、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人の介護職員が必要とされています。しかし、2022年度の職員数は約215万人にとどまっており、2026年度までに約25万人、2040年度までに約57万人の増員が必要という厳しい現実が突きつけられています。

出典:第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について

このままでは、介護サービスの質の低下や、介護事業所の経営悪化が懸念されています。

例えば、地方のある特別養護老人ホームでは、人材不足のために夜勤体制を縮小せざるを得ず、入居者のケアに支障をきたしているというケースも発生しています。また、都市部の訪問介護事業所では、ヘルパー不足により、新規の利用者の受け入れを停止しているという事例も報告されています。

このような状況下、多くの介護事業所経営者の方が頭を悩ませています。

「求人を出しても、なかなか応募が来ない…」
「人材不足で、既存の従業員の負担が大きくなってしまっている…」
「夜勤や休日の対応が難しく、サービスの質を維持できない…」

など、多くの事業所が共通の悩みを抱えているのではないでしょうか?

その解決策の一つとして、近年注目されているのが外国人材の活用です。

2019年4月に始まった特定技能制度により、介護業界でも外国人材の採用が可能になりました。この制度を活用することで、人材不足を解消し、より質の高い介護サービスを提供できる可能性があります。

例えば、ある介護施設では、特定技能制度を利用してベトナム人材を採用し、人材不足を解消しただけでなく、外国人材の明るい性格や丁寧な仕事ぶりが、利用者の満足度向上に繋がっています。また、別の施設では、フィリピン人材を採用したことで、多言語対応が可能になり、外国人利用者の受け入れ体制が強化されました。

このように、外国人材の活用は、単なる人手不足の解消だけでなく、介護サービスの質向上や新たな価値創造にも繋がる可能性を秘めているのです。

「介護」の分野で活躍する外国人材が増えていますが、彼らを雇用するには、適切な在留資格を取得する必要があります。

外国人材が介護職として日本で働くには、どのような制度があるのか、特定技能制度「介護」の詳細な要件や外国人材の雇用プロセスをわかりやすく解説します。

ぜひ、最後まで読んで、特定技能の外国人材採用について理解を深めてください。

外国人材を「介護」で受け入れる、主な4つの制度

制度概要対象国籍在留期間
EPA(経済連携協定)インドネシア、フィリピン、ベトナムの3ヶ国との協定に基づき、外国人介護福祉士候補者を受け入れる制度。候補者は日本で就労しながら国家試験合格を目指します。インドネシア、フィリピン、ベトナム合格すれば在留期間を更新しながら永続的に働くことが可能
在留資格「介護」日本の指定介護福祉士養成施設を卒業し、介護福祉士国家試験に合格した外国人が、日本の介護施設と雇用契約を結ぶことで取得できる在留資格どの国の人でも取得可能永続的に働くことが可能
技能実習外国人が日本の企業で働きながら技能を習得する制度。介護分野では、最長5年間の実習期間中に介護福祉士国家資格を取得すれば、在留資格「介護」に変更して日本で永続的に働くことも可能多くの国が対象最長5年(介護福祉士資格取得で永続的に働くことが可能)
特定技能1号人手不足が深刻な産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れる制度。介護分野では、技能水準・日本語能力水準を試験等で確認された外国人を、介護事業所で最大5年間受け入れることが可能多くの国が対象最大5年(介護福祉士資格取得で永続的に働くことが可能)
出典:特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -介護分野の基準について- 

特定技能「介護」は、どのような業務内容?

特定技能「介護」とは、外国人材に介護施設などで働いてもらうための在留資格です。
すでにご存じの方も多いと思いますが、具体的には、下記のような業務内容が該当します。

特定技能「介護」の外国人材は、介護福祉士の資格取得を目指しながら、介護の現場で活躍することが期待されています。

どのような場所で働ける?

外国人介護人材が日本で働くことができる場所は、介護福祉士の国家試験を受けるために必要な実務経験を積むことができる事業所です。

具体的には、特別養護老人ホームや老人保健施設、病院などです。

ただし、訪問介護のような、利用者の自宅に訪問してサービスを提供する形態は、利用者と外国人介護人材の人権を守るため、また、外国人の在留状況を適切に管理するという観点から、受け入れの対象外となっています。

<働く事が出来る場所の例>

場所サービス内容説明
特別養護老人ホーム常時介護が必要な高齢者のための施設食事、入浴、排泄などの介助、レクリエーション、機能訓練など
介護老人保健施設病状が安定している要介護高齢者のための施設リハビリテーション、看護、介護、日常生活の支援など
介護医療院長期療養が必要な高齢者のための施設医療ケア、リハビリテーション、介護、日常生活の支援など
デイサービスセンター日帰りで介護サービスを提供する施設食事、入浴、排泄などの介助、レクリエーション、機能訓練など
グループホーム認知症高齢者のための共同生活の場食事、入浴、排泄などの介助、日常生活の支援、認知症ケアなど
出典:特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -介護分野の基準について- 

<働く事が出来ない場所の例>

場所サービス内容説明
訪問介護利用者の自宅に訪問して介護サービスを提供身体介護、生活援助など
居宅サービス利用者の自宅に訪問して、介護予防や生活支援のサービスを提供訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、通所リハビリテーションなど
派遣労働派遣会社に雇用され、派遣先で働く特定技能1号ビザでは、外国人介護人材は派遣労働者として働くことはできません。
出典:特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -介護分野の基準について- 

外国人材を採用すると、どんなメリットがある?

外国人材を採用する前は、不安に思うこともあるかもしれません。
しかし、実際に外国人材を受け入れた介護施設からは、多くのメリットがあったという声が届いています。

1.人材不足解消&サービス向上で、施設も利用者も笑顔に!

介護の仕事は、体力も使うし、夜勤もあるため、大変なことも多いですよね。外国人材が加われば、人手不足が解消され、スタッフの負担も大きく減ります。
そうすれば、今まで以上に利用者さんに寄り添ったケアができるようになりますし、新しいレクリエーションを企画する余裕も生まれます。

実際、外国人材の明るい笑顔や丁寧な対応に、利用者さんも大変喜んでくれるケースが多いです。「今日は○○さんはいないの?」と、指名されることもあるようです。

2.外国人材パワーで、職場が活性化&多様化!

職場に外国人材が入ってくると、今までとは違う文化や考え方に触れる機会が増え、毎日が新鮮になります。彼らのコミュニケーション能力の高さや、積極的に仕事に取り組む姿勢は、日本人スタッフにとっても良い刺激になります。

それに、外国人材の視点を取り入れることで、介護サービスの改善に繋がることもあります。
もしかしたら、外国語が飛び交う、国際色豊かな職場になるかもしれません。

3.長期的、安定的な人材確保!

外国人材の中には、日本で長く働きたい、介護の資格を取りたいという意欲の高い人もたくさんいます。しっかりサポートしてあげれば、彼らは施設にとって頼もしい戦力になってくれます。

介護福祉士の資格取得を応援して、長く活躍してもらえるようにサポートするのも、施設の役割です。将来は外国人スタッフが中心となって、施設を盛り上げてくれるかもしれません。


そもそも特定技能制度とは、どんな制度?

特定技能制度は、2019年に始まった制度で、人材不足を解消し、日本の経済を活性化させることを目的としています。一定の技能と日本語能力を持つ外国人材を受け入れ、即戦力として活用することができます。

技能レベルに応じて、「特定技能1号」と「特定技能2号」の2つの在留資格が設けられています。

項目特定技能1号特定技能2号
対象分野16分野全て介護分野を除く11分野
在留期間最長5年期限なし
技能レベル各分野の技能試験に合格より高い技能・知識を持ち、1号の要件を満たす
家族の帯同不可可能
  • 転職の自由

同じ職種内であれば、自由に転職することができます。

  • 特定技能2号は対象外

介護分野では、特定技能1号の在留資格で、最長5年間就労することができますが、特定技能2号での受け入れは行われていません。

その理由は、介護福祉士の国家資格を取得すれば、在留資格を「介護」に変更することができるからです。この在留資格「介護」があれば、在留期間の更新回数に制限がないので、ずっと日本で働くことができます。

誰でも特定技能人材になれる?

特定技能1号の在留資格を取得するには、外国人材側はいくつかの要件を満たす必要があります。

1.介護技能評価試験に合格する

特定技能1号の外国人労働者は、介護技能評価試験に合格する必要があります。

この試験は、日本の介護現場で働くために必要な技能水準を測るものです。具体的には、介護の基本、身体介護、生活援助、コミュニケーションといった分野が出題範囲となります。

しかし、以下のケースに該当する場合は、技能試験が免除されます。

  • 介護福祉士養成施設を修了している場合

介護福祉士養成施設を修了していれば、特定技能1号に必要な技能水準を満たしているとみなされます。

  • EPA介護福祉士候補者として4年間の研修を修了している場合

EPA介護福祉士候補者としての研修は、日本の介護福祉士養成施設と同等の体制で実施され、4年間の研修を修了した者は、特定技能1号に必要な技能水準を有すると認められます。

  • 技能実習2号を良好に修了している場合

技能実習2号では、介護現場で3年間の実務経験を積むことができ、その修了者は、特定技能1号に必要な技能水準を有すると認められます。

2.介護日本語評価試験に合格

この試験は、介護現場で働くために必要な日本語能力水準を測るものです。

ただし、介護の技能実習2号(3号)を良好に修了していれば、3年間の実習を通して日本語能力を身につけているとみなされ、介護日本語評価試験が免除されます。

3.日本語能力試験N4以上、または国際交流基金日本語基礎テストに合格する

日常生活で必要な基本的な日本語力があることを証明する試験です。

技能実習2号(3号)を良好に修了している場合は、3年間の実習を通して日本語能力を身につけているとみなされます。

特定技能人材の採用はどうするの?

外国人材を採用する方法は、いくつかあります。

1.人材紹介会社を活用する

特定技能に特化した人材紹介会社を利用することで、適切な人材のマッチングからビザ申請手続き、入国時の対応までサポートを受けることができます。
初めて特定技能外国人を採用する場合に効果的です。

2.登録支援機関を利用する

登録支援機関は、特定技能外国人の生活支援や就労支援を行う専門機関です。 人材紹介会社が登録支援機関を担っているケースもあります。

人材紹介から支援計画の作成、在留手続きのサポートまで幅広いサービスを提供しています。

3.直接外国人材を採用する

海外に住んでいる外国人を直接採用する方法です。 企業が自ら海外の人材と連絡を取り合い、オンライン面接などを通して採用候補者を選考します。

ビザの申請など、必要な手続きもすべて企業自身で行う必要があります。

4.技能実習生から移行する

技能実習生として雇用している外国人を特定技能に変更することができます。
ただし、すべての技能実習生が特定技能「介護」に移行できるわけではありません。

「介護」の技能実習2号を良好に修了した方、または技能実習3号の実習計画を満了した方が対象となります。

5.留学生を採用する

現在アルバイトとして雇用している留学生がいる場合、特定技能の試験に合格すれば、特定技能に変更することができます。

外国人材を受け入れるための準備内容

外国人材を採用するには、受け入れ企業にもいくつかの条件をクリアする必要があります。

・介護事業所の許可を受けている
外国人材を受け入れる介護事業所は、介護保険法に基づく指定を受けている必要があります。
事業所が適法に介護サービスを提供できることを証明するためのものです。

指定を受けていない場合は、都道府県知事への申請が必要です。

・「介護分野における特定技能協議会」の構成員になる
外国人材の受け入れや支援を行うために設立された「介護分野における特定技能協議会」に加入する必要があります。協議会に加入することで、外国人材の採用に関する情報提供や相談、支援を受けることができます。

加入を希望する場合は、協議会に必要書類を提出し、審査を受ける必要があります。

・サポート体制
外国人材が安心して働けるよう、生活や仕事のサポート体制を整える必要があります。
例えば、住居の提供、日本語教育の支援、生活に必要な情報の提供などを行うことが大切です。

外国人材が安心して生活し、仕事に集中できる環境を作ることで、定着率の向上に繋がります。

外国人材を採用する流れ

外国人材の採用は、日本人採用とは異なる点があります。スムーズに外国人材を採用するために、事前準備からの流れを紹介します。

ステップ内容
事前準備就業規則、賃金システム、住居、生活環境の整備
人材募集人材紹介会社や現地機関の活用、求人サイト、ハローワークなど
面接書類選考、面接(日本語能力、技能、コミュニケーション能力などを評価)
雇用契約雇用契約書締結(労働条件を明確にし、外国人材にも理解できるように説明)
ビザ申請特定技能ビザ申請(必要な書類を揃えて申請)
入社前準備住居確保、生活環境整備
入社オリエンテーション会社規則、業務内容、安全衛生教育など
業務開始実際の業務開始、日本人スタッフとのコミュニケーション促進
定期的な面談業務や生活面での課題を早期に発見するための面談
※上記の内容については、円滑に外国人材を受入れるために、登録支援機関へ委託することも出来ます。

外国人材を雇用する上での3つのポイント

外国人材の雇用は、人手不足解消の有効な手段となります。しかし、採用する際には注意すべき点もあります。これらの注意点を理解しておくことで、外国人材とより良い関係を築き、スムーズに業務を進めることができるでしょう。

1.就労可能な業務範囲

特定技能「介護」の在留資格を持つ外国人材は、介護施設で働くことができますが、就労可能な業務範囲は決められています。

具体的には、身体介護、生活援助、コミュニケーションなどが該当します。医療行為や、介護保険制度の対象外のサービス提供はできません。

2.適切な就労状況の管理

外国人材の就労状況を適切に管理することは、施設の責任です。労働時間、休日、賃金などの労働条件は、日本人労働者と同様に、労働基準法などの法令を遵守する必要があります。

受け入れられる特定技能1号外国人の人数には上限があり、その上限は日本人等の常勤介護職員の総数となります。さらに、雇用形態は直接雇用のみが認められており、特定技能外国人を労働者派遣として雇用することはできません。

3.日本語レベルの確認

外国人材を採用する際は、日本語レベルをよく確認しましょう。日本語能力試験に合格しているからといって、必ずしも業務に必要な日本語能力を有しているとは限りません。

介護現場では、利用者の方言や、高齢者特有の話し方など、教科書では学べない日本語に触れる機会が多くあります。また、ケアの現場では、微妙なニュアンスを伝えることや、相手の気持ちを理解することが求められます。

面接の際には、実際に日本語で会話をして、コミュニケーション能力を丁寧に確認することが大切です。しかし、来日前の外国人材は、まだ日本語学習の途上であることを理解し、日本人と同様の日本語能力を求めることは避けましょう。

もし、日本語レベルが不十分な場合は、日本語教育のサポートなどを強化しましょう。
外国人材が日本語を習得することで、結果的にコミュニケーションが円滑になり、業務効率の向上や安全確保にもつながります。

まとめ

特定技能「介護」の制度を活用すれば、外国人材を採用し、深刻な人材不足を解消できる可能性があります。

外国人材を採用することは、単に人手不足を解消するだけでなく、介護サービスの質向上、多文化共生、組織の活性化など、様々なメリットをもたらします。

ぜひ、この記事を参考にして、外国人材の受け入れを検討してみてはいかがでしょうか

新たな視点や発想を取り入れることで、介護業界の未来をより明るいものにしていきましょう。