【ビルクリーニング業×特定技能】もう求人に悩まない!ビルクリーニング業界の新たな可能性を外国人材で叶えよう
ビルクリーニング業界の人材不足は、 もはや、無視できないレベルに達しています。
ベテラン従業員の高齢化、若年層の業界離れ…
その一方で、清掃ニーズは増加の一途をたどっています。
このままでは、 企業の成長は止まり、 従業員の負担は増え続け、 サービスの質は低下する一方…
悪循環を断ち切るには、発想の転換が必要です。
優秀な人材は、国内だけにいるとは限りません。
世界に目を向けると、日本での就労を希望する意欲あふれる外国人材がたくさんいます。
「求人を出してもなかなか人が集まらない…」
「従業員の高齢化が進み、体力的に厳しい仕事が増えてきた…」
「人手不足で、従業員の負担が大きくなっている…」
このような悩みを抱えている企業にとって、
解決策の一つとして、近年注目されているのが外国人材の活用です。
2019年4月に始まった特定技能制度により、ビルクリーニング業界でも外国人材の採用が可能になりました。 この制度を活用することで、人材不足を解消し、より質の高いサービスを提供できるようになると期待されています。
例えば、あるオフィスビルでは、特定技能制度を利用してベトナム人材を採用。 日本語能力が高く、真面目なベトナム人材は、すぐに職場に馴染み、中心メンバーとして活躍しています。
外国人観光客が多く来店する商業施設では、多言語対応可能なフィリピン人材を採用し、清掃だけでなく、お客様への案内やコミュニケーションも担うことができ、顧客満足度が上がった事例もあります。
このように、外国人材の活用は、単なる人手不足の解消だけでなく、企業の成長やサービス向上にも繋がる可能性を秘めているのです。
この記事では、特定技能「ビルクリーニング」の詳細要件や、外国人材の雇用プロセスをわかりやすく解説します。
ぜひ、最後まで読んで、特定技能の外国人材採用について理解を深めてください。
特定技能「ビルクリーニング業」は、どのような業務内容?
特定技能「ビルクリーニング」とは、外国人材にオフィスビルや商業施設などの清掃業務に従事してもらうための在留資格です。多数の人が利用するオフィスビル、官公庁、病院、銀行、商業施設、ホテル、レストランなど(住宅を除く)の建物の内部清掃を行います。
すでにご存じの方も多いと思いますが、具体的には、以下のような業務内容が該当します。
<主な業務内容>
項目 | 業務内容 |
---|---|
日常清掃 | 床の掃除、ゴミ回収、トイレ清掃、窓拭きなど |
定期清掃 | カーペットクリーニング、ワックスがけ、外壁清掃など |
特別清掃 | 引越し前後の清掃、ハウスクリーニングなど |
<関連する業務内容>
項目 | 業務内容 |
---|---|
資機材管理 | 清掃に必要な資機材を保管する倉庫の整理整頓を行うなど |
建物外部清掃 | 建物の外壁や屋上などを洗浄し、建物の外観をきれいに保つなど。高所作業を伴う窓ガラス・外壁清掃作業は対象外。 |
客室整備 | ホテルなどの客室を清掃し、ベッドメイクなど |
植栽管理 | 建物内外の植栽を管理し、水やりや剪定など |
資機材運搬 | 清掃に必要な資機材を運搬。他の現場への移動や、倉庫への搬入など |
どのような場所で働ける?
特定技能「ビルクリーニング」の外国人材は、多様な場所で清掃業務をすることができます。
<働く事が出来る場所>
場所 | 説明 |
---|---|
オフィスビル | 企業や団体が使用する建物の内部 |
官公庁 | 国や地方公共団体の庁舎内部 |
病院 | 医療を提供する施設の内部 |
銀行 | 金融機関の店舗内部 |
商業施設 | デパート、ショッピングモールなどの内部 |
ホテル | 宿泊施設の内部 |
レストラン | 飲食を提供する施設の内部 |
上記建物の床、天井、内壁、トイレ、洗面所など | 上記の建物内部にある、床、天井、内壁、トイレ、洗面所など |
共同住宅の共用部分(ロビー、廊下など) | マンションやアパートなどの共用部分 |
建物外部の清掃(高所作業を伴わない範囲) | 建物の外壁や屋上など、高所作業を伴わない範囲 |
ホテル客室の清掃、アメニティ交換、ベッドメイキング(一連の流れの中の作業) | ホテルの客室清掃、アメニティ交換、ベッドメイキング |
<働く事が出来ない場所>
場所 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
住宅内部・民泊 | ハウスクリーニングに該当 | マンションの専有部分の清掃は出来ませんが、共用部分の清掃は対象になります。 |
ホテル・レストラン | 接客やレストランサービスが伴う場合 | 「宿泊業」や「外食業」の業務内容になります。 |
マンション居住者退去後の部屋 | 清掃の前後で住人が異なる住宅(住居) | |
新幹線、飛行機、豪華客船 | これらの乗り物の清掃は対象外 | |
ネズミや衛生害虫 | 専門的な知識や資格が必要なため対象外 | |
廃棄物 | 廃棄物処理法に基づいた処理が必要なため対象外 | |
建築物総合管理 | 警備や設備管理など、清掃以外の業務は対象外 | 清掃以外の業務はビルクリーニングの対象外 |
ビルのガラス外装 | 高所作業を伴う場合 | |
機器や設備の内部 | 専門的な知識や技術が必要なため対象外 |
これらの場所は、住宅扱い、専門的な知識や資格が必要、清掃以外の業務が含まれるなどの理由から、特定技能「ビルクリーニング」の対象外となっています。
外国人材を採用すると、どんなメリットがある?
ビルクリーニング業界では、慢性的な人手不足、高齢化、若者の業界離れなど、様々な課題に直面しています。 外国人材を採用することで、人手不足を解消できるだけでなく、企業に新たな風を吹き込み、成長を加速させる可能性も秘めています。
1.人材不足の解消
高齢化や若者の業界離れが進む中、外国人材の採用は人材不足解消の最も効果的な手段の一つです。
特定技能制度を利用することで、日本語能力や清掃技能を有する外国人材を採用し、即戦力として活躍してもらうことができます。
人材不足が解消されれば、従業員の負担軽減、業務効率の向上、サービス品質の維持・向上にも繋がります。
2.サービスの質向上
外国人材の採用により、多様な視点や発想を清掃サービスに取り入れることができます。
例えば、外国人材の出身国の清掃方法や文化を取り入れることで、よりきめ細やかなサービスを提供できる可能性があります。
また、日本語に加えて英語や中国語など、多言語対応ができる人材がいれば、外国人利用者への対応もスムーズになり、顧客満足度の向上に繋がります。
3.従業員のモチベーション向上
外国人材との交流は、日本人従業員にとって、異文化理解を深め、国際的な視野を広げる貴重な機会となります。中には、外国人材の勤勉さや真面目な姿勢が、日本人従業員に良い刺激を与え、モチベーション向上に繋がったという事例もあります。
多様な文化背景を持つ人材が共に働くことで、相互理解、協力体制、チームワークが促進され、より活気のある職場環境が生まれます。
これらのメリットを享受するためには、外国人材の採用だけでなく、彼らが安心して働き、能力を最大限に発揮できるような環境づくりも重要です。
そもそも特定技能制度とは、どんな制度?
特定技能制度は、2019年に始まった制度で、人材不足を解消し、日本の経済を活性化させることを目的としています。一定の技能と日本語能力を持つ外国人材を受け入れ、即戦力として活用することができます。
技能レベルに応じて、「特定技能1号」と「特定技能2号」の2つの在留資格が設けられています。
項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
---|---|---|
対象分野 | 16分野全て | 介護分野を除く11分野 |
在留期間 | 最長5年 | 期限なし |
技能レベル | 各分野の技能試験に合格 | より高い技能・知識を持ち、1号の要件を満たす |
家族の帯同 | 不可 | 可能 |
- 転職の自由
同じ職種内であれば、自由に転職することができます。
誰でも特定技能人材になれる?
特定技能「ビルクリーニング」の外国人材は、以下の試験に合格し、必要な技能を習得している必要があります。
- ビルクリーニング技能測定試験
ビルクリーニングに必要な知識と技能を測る試験
※ビルクリーニング職種の技能実習2号・3号を良好に修了している場合は、この試験は免除されます。 - 日本語能力試験
日本語の理解を測る試験(N4以上)
※技能実習2号・3号を良好に修了している場合は、日本語能力試験は免除されます。
外国人材を採用する際は、これらの内容をすべてクリアできているか必ず確認しましょう。
特定技能人材の採用はどうするの?
外国人材を採用する方法は、いくつかあります。
1.人材紹介会社を活用する
特定技能に特化した人材紹介会社を利用することで、適切な人材のマッチングからビザ申請手続き、入国時の対応までサポートを受けることができます。
初めて特定技能外国人を採用する場合に効果的です。
2.登録支援機関を利用する
登録支援機関は、特定技能外国人の生活支援や就労支援を行う専門機関です。 人材紹介会社が登録支援機関を担っているケースもあります。
人材紹介から支援計画の作成、在留手続きのサポートまで幅広いサービスを提供しています。
3.直接外国人材を採用する
海外に住んでいる外国人を直接採用する方法です。 企業が自ら海外の人材と連絡を取り合い、オンライン面接などを通して採用候補者を選考します。
ビザの申請など、必要な手続きもすべて企業自身で行う必要があります。
4.技能実習生から移行する
技能実習生として雇用している外国人を特定技能に変更することができます。
ただし、すべての技能実習生が特定技能「ビルクリーニング業」に移行できるわけではありません。 「ビルクリーニング職種」の技能実習2号を良好に修了した方、または技能実習3号の実習計画を満了した方が対象となります。
5.留学生を採用する
現在アルバイトとして雇用している留学生がいる場合、特定技能の試験に合格すれば、特定技能に変更することができます。
外国人材を受け入れるための準備内容
外国人材を採用するには、受け入れ企業にもいくつかの条件をクリアする必要があります。
・ビルクリーニング業の許可
都道府県知事または保健所設置市の市長から、ビルクリーニング業の許可を受けていることが必要です。また、外国人材を受け入れるには、会社全体を登録するのではなく、外国人材が実際に働く「営業所」を登録する必要があります。
例えば、A社が東京と大阪に営業所を持っている場合、東京の営業所で外国人材を雇用したい場合は、東京の営業所を登録する必要があります。大阪の営業所でも外国人材を雇用したい場合は、大阪の営業所も別に登録する必要があります。
・過去1年以内に従業員を解雇をしていない
外国人材を受け入れる企業は、会社の経営が悪化したなどの理由で過去1年以内に従業員を「整理解雇」していないことも条件になっています。
・「ビルクリーニング技能実習評価機構」の構成員になる
外国人材の受け入れや支援を行うために設立された組織です。外国人材の採用に関する情報提供や相談・支援を受けることができます。
・サポート体制
外国人材が安心して働けるよう、生活や仕事のサポート体制を整える必要があります。
例えば、住居の提供、日本語教育の支援、生活に必要な情報の提供などを行うことが大切です。
外国人材を採用する流れ
ここまで読んでいただき、すぐにでも外国人材の採用を進めたい!と思っていただけたビルクリーニング会社の方もいるかと思います。
しかし、外国人材の採用は日本人採用とは異なる点がありますので、スムーズに外国人材を採用するために、事前準備からの流れを紹介します。
いずれ受け入れを検討している経営者・人事担当者の方にも、前知識として役立つ情報です。
ステップ | 内容 | 備考 |
---|---|---|
事前準備 | 就業規則、賃金システム、住居、生活環境の整備 | 外国人材を受け入れるための準備を整える |
人材募集 | 人材紹介会社や現地機関の活用、求人サイト、ハローワークなど | 適切な方法で候補者を探す |
面接 | 書類選考、面接(日本語能力、技能、コミュニケーション能力などを評価) | 日本人材の採用と同様の選考プロセス |
雇用契約 | 雇用契約書締結(労働条件を明確にし、外国人材にも理解できるように説明) | 労働条件は法律に基づき、外国人材にもわかりやすく説明する |
ビザ申請 | 特定技能ビザ申請(必要な書類を揃えて申請) | ビザ取得のためのサポートを行う |
入社前準備 | 住居確保、生活環境整備 | 来日前に必要な準備を支援する |
入社オリエンテーション | 会社規則、業務内容、安全衛生教育など | 会社や仕事内容を理解してもらう |
業務開始 | 実際の業務開始、日本人スタッフとのコミュニケーション促進 | 円滑なコミュニケーションを図る |
定期的な面談 | 業務や生活面での課題を早期に発見するための面談 | 定期的な面談で問題を早期に解決する |
外国人材を雇用する上での4つのポイント
外国人材の雇用は、人手不足解消の有効な手段となります。しかし、採用する際には注意すべき点もあります。
これらの注意点を理解しておくことで、外国人材とより良い関係を築き、スムーズに業務を進めることができるでしょう。
1.就労可能な業務範囲
特定技能「ビルクリーニング」の在留資格を持つ外国人材は、オフィスビルや商業施設などの清掃業務に従事できますが、就労可能な業務範囲は決められています。
外国人材に許可されていない業務をさせてしまうと、法律違反になってしまうので、採用前に就労可能な業務範囲をしっかりと確認し、外国人材にも理解させましょう。
2.労働者派遣の禁止
特定技能外国人を、派遣会社から派遣される形で雇用することはできません。
例えば、AさんがB派遣会社に登録し、B派遣会社からCビルクリーニング会社に派遣されて働くといった雇用形態は認められていません。
特定技能外国人は、ビルクリーニング会社に直接雇用される必要があります。
3.適切な就労状況の管理
外国人材の就労状況を適切に管理することは、企業の責任です。
- 在留管理局への届出
採用時や離職時など、外国人材の就労状況に変更があった場合は、入国管理局への届出が必要です。 - 不正就労の防止
許可されていない業務や就労時間外の労働をさせてはいけません。
外国人材が安心して働けるよう、就労状況を適切に管理し、必要なサポートを提供しましょう。
4.日本語レベルの確認
外国人材を採用する際は、日本語レベルをよく確認しましょう。
日本語能力試験に合格しているからといって、必ずしも仕事を問題なくできる日本語レベルに達しているとは限りません。 業務に必要な日本語レベルを習得しているか、面接の際に、実際に日本語で会話をして確認することが大切です。
もし、日本語レベルが不十分な場合は、日本語教育のサポートなどを強化しましょう。
外国人材が日本語を習得することで、結果的にコミュニケーションが円滑になり、業務効率の向上や安全確保にもつながります。
まとめ
この記事では、人材不足に悩むビルクリーニング業の企業の皆様に向けて、特定技能制度を利用した外国人材の雇用がいかに有効な解決策となるかをご紹介しました。
外国人材の採用は、単なる人手不足の解消だけでなく、サービスの質向上、企業イメージの向上、従業員のモチベーション向上など、様々なメリットをもたらす可能性があります。
ぜひ、この記事を参考にして、外国人材の受け入れを検討してみてはいかがでしょうか?
新たな視点や発想を取り入れることで、今までにないサービスやビジネスチャンスが生まれるかもしれません。
外国人材の活躍が、ビルクリーニング業の未来を明るく照らしてくれることを願っています。