雇用条件について
よくある質問
- 実習生に明示すべき雇用条件の内容を教えてください。
- 日本人の正社員を雇用する場合と同じように、労働条件通知書の交付するなどで条件を明示する必要があります。書面で明示するべき内容は以下になります。
- 労働契約期間
- 有期労働契約を更新する場合の基準
- 就業場所および従事する業務内容
- 始業および終業時刻、休憩時間、休日など
- 賃金額、支払い方法、賃金の締め切りおよび支払日
- 定年の有無や解雇事由など退職に関する事項
- 昇給に関する事項や臨時に支払われる賃金について
- 臨時に支払われる賃金
- 表彰および制裁
- 食費や寮費など労働者に負担させる費用
- 災害補償
- 外国人技能実習制度にはどのような法令が適用されるのですか?
- 外国人技能実習制度には、以下の関係法令が適用されます。
- 出入国管理
出入国管理法令および難民認定法(入管法)、同法施行規則・省令、外国人登録法 - 労働法令 労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、職業安定法
- 労働保険・社会保険関係
労働者災害補償保険法、雇用保険法、厚生年金法、健康保険法
- 出入国管理
- 技能実習生に支払う賃金に関する規定はありますか?
- 労働基準法第24条に則り、受入企業から直接技能実習生に通貨で・全額を・毎月1回以上・一定期日に支払らわなければいけません。また、最低賃金については最低賃金法第4条ほかに則り、たとえ企業側と実習生が最低賃金額を下回る賃金で合意し、労働契約を締結したとしてもその額は無効となり、最低賃金額以上の額を支払わなくてはいけません。地域別最低賃金と産業別最低賃金が同時に適用される場合は、どちらか高いほうの最低賃金額以上を支払うことになります。
なお、税金や社会保険料などの法令で定められているものは賃金から控除することができます。ただし、具体的な使途を明らかにできない「管理費」などは、賃金控除協定を締結していたとしても控除することはできません。
法務省入国管理局から出ている「技能実習生の入国・在留管理に関する指針」によると、
- 寮費や食費を控除する額は実費を超えてはならない
- 実習終了時の帰国旅費や受入団体が監理に要する費用を技能実習生に負担させてはならない
- 支払う賃金以外に、お金がらみで気を付けることや禁止されていることは何ですか?
- 監理団体の担当者からも話があると思いますが、各事業場ごとに賃金台帳を作成する必要があります。台帳には労働者の指名、賃金計算期間、労働日数、労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数、手当やその他賃金の種類ごとにその額などを記載し、3年間保存しなければならない決まりがあります。 また、技能実習生名義の口座通帳や印鑑を保管したり、賃金を技能実習生本人が監理する口座以外に振り込むことは強制貯金や中間搾取となるため、禁止されています。
- 技能実習生の労働時間に関する規定はありますか?
- 日本人の社員と同じ扱いになります。原則として週40時間・1日8時間の法定労働時間を超えて労働させてはいけないことになっています。また、少なくとも毎週1日の休日または4週間を通じて4日以上の休日を与えなければいけません。 法定労働時間を超えるまたは法定休日に労働させる場合には「時間外・休日労働に関する協定」(36協定)を締結し、労働基準監督署に届け出、かつその範囲内で労働させる必要があります。なお、36協定には厚生労働省から限度基準が告示されていますので、その基準に適合したものにする必要があります。 長時間にわたる時間外労働・休日労働により、労働時間が技能実習計画を大幅に上回っている場合、入管法に基づく不正行為認証の対象となります。労働時間の適正な把握のために、出勤日ごとの始業・終業時刻を担当者が現認したり、タイムカードなどを使って記録しておくとよいとされています。
- 時間外や休日出勤、割増に関する規定はありますか?
- こちらも日本人の社員と同じ扱いになります。具体的には
- 時間外労働および深夜業(22時~翌朝5:00の労働)に対しては25%以上
- 休日労働に対しては35%以上
- 技能実習生の有給休暇に関する規定はありますか?
- 6ヵ月以上継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、年次有給休暇を与えなければなりません。週所定労働が5日以上または30時間以上の労働者に対しては、勤続年数が6ヵ月の場合10日、1年6ヵ月で11日、2年6ヵ月で12日の年次有給休暇が付与されることになります。技能実習1号・2号の場合講習終了後、3号では入国日から起算します。
- 技能実習生の寄宿舎に関する規定はありますか?
- 炊事・食事場、お手洗い、浴室などが共同の宿舎を「寄宿舎」とし、たとえばマンションなどで炊事場、お手洗い、浴室などが備わっている個室の場合は該当しません。 寄宿舎に該当する場所に技能実習生を居住させる場合、外出や外泊の承認を求めたり教育や娯楽、その他行事に参加を強制したり、面会の自由を制限するなど、実習生の私生活の自由を侵害することは禁止されています。 また、寄宿舎に居住する実習生の安全・衛生を守るために火災警報や消火設備、避難階段の設置を行ったり、寄宿舎規定を作成し労働基準監督署に届け出る必要があります。
- 技能実習生を解雇する場合の規定はありますか?
- 機関の定めがある労働契約により雇用されている技能実習生は、やむを得ない事由がない限り、期間内に解雇することはできません。外国人技能実習制度は一定期間の実習で技能を身につけ、技能を母国に持ち帰って発揮することが目的となりますので、技能実習の継続に最大限努力してください。 やむを得ず解雇する場合であっても、最低30日前までに予告すること、予告を行なわないで解雇する場合は解雇での日数に応じた解雇予告手当の支払いが必要になります。