受入れの状況(2026年9月21日時点)
このページでは、物流倉庫分野で外国人材を受け入れるための条件を、国土交通省と出入国在留管理庁の資料にもとづいて整理します。制度全体については特定技能制度の全体像をご覧ください。
※このページの内容は2026年9月21日時点の情報です。出典は末尾の参考資料に記載しています。
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 分野の追加 | 2026年1月23日 閣議決定で追加済み |
| 分野別運用方針 | 公表済み(2026年1月23日) |
| 上乗せ基準告示 | 公布済み(2026年6月26日・国土交通省告示第787号) |
| 運用要領別冊 | 公表済み(2026年9月18日) |
| 特定技能1号技能評価試験 | 開始時期は調整中・未定(国土交通省) |
| 分野別協議会 | 設置に向けて調整中(国土交通省) |
| 在留資格の申請がいつから可能か | 未公表 |
| 受入れ見込数 | 1号特定技能外国人 1万1,400人(令和8年度から3年間の上限) |
「2027年春から受入れが始まる」という情報にご注意ください。 2026年9月21日時点で、国土交通省はそのような時期を公表していません。2027年4月1日から始まるのは育成就労制度であり、特定技能の受入れ開始時期とは別のものです。
一方で、受入れ企業に求められる条件はすでに確定しています。 時期を待つあいだに準備できることがあります(6節)。
1. 受入れ可能な業務区分
特定技能1号
物流倉庫分野の業務区分は「物流倉庫」の1つだけです。
| 業務区分 | 従事する業務 |
|---|---|
| 物流倉庫 | 物流倉庫において、倉庫内で行われる貨物の入出庫、保管その他の倉庫内各種作業を実施する業務 |
国土交通省が挙げている主な業務は次のとおりです。
- 入出庫貨物の受渡し・検品
- 貨物の移動
- 保管庫への格納
- ピッキング
- 流通加工 など
「流通加工」は、商品を流通させるために適した状態にする加工を指します。小分け再包装、タグ取付け、ラベル貼り、セット組みなどです。商品そのものの機能を完成させたり性能を上げたりする作業は製造工程にあたり、流通加工には含まれません。
関連業務への付随的な従事
その業務に従事する日本人が通常行う関連業務に、付随的に従事することは差し支えありません。ただし関連業務だけに従事させることは認められません。
- 事務所への連絡や報告
- 作業場所の整理整頓や清掃
- 台風等の接近に備えた貨物の移動や雨水侵入防止措置
- 職場で開催される会議体への参加(安全衛生、懇談会、教育訓練など)
従事できない業務
包装されていない食品に直接触れる業務には従事できません(運用要領別冊)。生鮮品や未包装の食品を扱う現場では、作業の割り当てに注意が必要です。
また、業務は倉庫内の作業に限られます。
特定技能2号
物流倉庫分野に特定技能2号はありません。 受け入れられるのは特定技能1号のみです。1号と2号の違いは特定技能1号と2号の違いをご覧ください。
2. 就業可能な場所(受け入れられる事業者の3類型)
このページでいちばん確認していただきたい部分です。次の3つの類型のいずれかに当たる事業者だけが、物流倉庫分野で特定技能外国人を受け入れられます。
類型A:倉庫業者
倉庫業法にもとづく倉庫業の登録を受けた倉庫業者で、倉庫作業を自ら行う場合です。
- 就業の場所:自社が占有する営業用の倉庫(営業倉庫の登録がされている倉庫)
類型B:倉庫作業を受託している会社
倉庫業者の委託を受けて、その倉庫業者が営業に使っている倉庫で倉庫作業を行う会社です。この場合、受入れ機関になるのは委託を受けた側です。
- 就業の場所:委託元の倉庫業者が占有する営業用の倉庫
- 追加の条件:特定技能外国人の雇用の継続について、委託元の倉庫業者と共同で協定書を作成する必要があります
協定書には、業務委託が解消されて雇用契約が解除される場合に、委託元の倉庫業者が転職支援の補助を行う旨を記載します。なお、倉庫業者に対して、その外国人を直接雇用することや賃金を保証することまでは求められていません。
類型C:貨物自動車運送事業者
貨物自動車運送事業法にもとづく一般貨物自動車運送事業または特定貨物自動車運送事業の許可を受けた事業者です。
- 就業の場所(1):自社が占有する倉庫で、倉庫作業を自ら行う場合
- 就業の場所(2):運送事業に関連して、他人の需要に応じ有償で倉庫作業を行っている倉庫
(2)については、自社の車両が反復継続的にその倉庫へ出入りしていること、または自社が手配した他社の車両(庸車)が反復継続的に出入りしていることが必要です。
注意: 運賃や輸送料(積卸作業料、仕分作業料など)とは別に倉庫作業料金を収受して引き受けている倉庫作業が対象です。運送に伴う荷役として運賃に含めて引き受けている作業は、ここでいう「倉庫作業」には当たりません。
3類型のいずれにも当たらない場合
告示は上の3つを限定して列挙しています。倉庫業の登録も貨物自動車運送事業の許可もなく、自社の商品を自社の倉庫で保管しているだけの事業者は、この3類型に当てはまりません。
自社がどの類型に当たるか判断に迷う場合は、国土交通省物流・自動車局にお問い合わせください。
3. 受入企業に求められる条件
制度に共通する条件
労働関係法令の遵守、外国人への支援体制の整備、各種届出など、特定技能制度に共通する条件があります。受入れ企業に共通する要件をご覧ください。
倉庫管理システムの利活用(この分野に固有)
物流倉庫分野では、入庫管理・在庫管理・出庫管理の機能を持つ情報システムを利活用していることが条件です。いわゆる倉庫管理システム(WMS)を想定していますが、国土交通省は「倉庫管理システムと銘打って製品化されていないものでも構わない」としています。3つの機能が満たされていれば足ります。
よくある誤解:「システムを購入して導入しなければならない」というものです。 国土交通省は、受入れ機関自身がシステムを所有していなくてもよく、特定技能外国人が就業する事業所でそのシステムが使える状態にあればよい、としています。条件は「所有」ではなく「利活用」です。
あわせて、そのシステムと連携して機能を拡充し、作業の省力化と労働安全衛生の向上を図れる機器またはシステムを、継続して利活用する必要があります。
利活用の状況は、分野別協議会に加入した日から1年以内に、協議会が定める方法で協議会へ報告します。
分野別協議会への加入
受入れ機関は、物流倉庫分野特定技能協議会の構成員である必要があります。加入は、その外国人の在留諸申請を行う前に済ませておく必要があります。
加入後は、次の対応が求められます。
- 協議会で協議が調った事項に関する措置を講じること
- 協議会に対し必要な協力を行うこと
- 国土交通大臣またはその委託を受けた者が行う調査・指導に必要な協力を行うこと
協議会は2026年9月21日時点で設置に向けて調整中です。 加入要件、必要書類、加入受付の開始時期は、決まり次第、国土交通省のページで公表されます。
登録支援機関に委託する場合
登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の全部を委託する場合は、その登録支援機関も次の条件を満たしている必要があります。
- 協議会の構成員であること
- 協議会で協議が調った事項に関する措置を講じること
- 協議会に対し必要な協力を行うこと
- 国土交通省が行う調査・指導に必要な協力を行うこと
雇用形態は直接雇用のみ
物流倉庫分野では、労働者派遣で受け入れることはできません。 派遣することも、派遣された人を受け入れることもできません。
これに違反した場合、出入国に関する法令について不正または著しく不当な行為を行ったものとして、以後5年間、特定技能外国人の受入れができなくなります。
実務経験を証明する書面の交付
特定技能外国人から求められたときは、その契約に係る実務経験を証明する書面(電磁的記録でも可)を交付または提供する必要があります。
4. 外国人材に求められる要件
技能試験
| 試験 | 状況 |
|---|---|
| 物流倉庫分野特定技能1号評価試験 | 開始時期は調整中・未定(2026年9月時点・国土交通省) |
国土交通省によると、試行試験は2026年2月末までに終え、試験の適正性について了承を得る手続きが進められています。試験実施要領も調整中で、今後公表予定です。
試験では、物流倉庫における保管・荷役、流通加工、安全衛生に関する実践的な知識を持ち、機器の取扱いを理解したうえで、作業の場面に応じて正しい判断ができることを確認します。
日本語能力
「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上が必要です。次のいずれかに合格していることで証明します。
- 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2.2相当以上
- 日本語能力試験(JLPT)N4以上
技能実習からの移行
物流倉庫分野は新しい分野のため、技能水準の試験が免除される技能実習2号の職種・作業は設定されていません(運用要領別冊 別表)。技能実習を修了した方でも、技能評価試験の合格が必要です。
ただし日本語については、技能実習2号を良好に修了した方は、修了した職種・作業の種類にかかわらず、JFT-BasicやJLPTを別途受験する必要はありません。
育成就労からのルート
育成就労制度は2027年4月1日から運用が始まります。物流倉庫分野も対象です。
- 就労開始前:日本語A1相当以上(JLPT N5等)の合格、または相当する日本語講習の受講
- 育成就労の開始後1年経過時まで:物流倉庫分野育成就労評価試験(初級)
- 育成就労を終了するまで:物流倉庫分野特定技能1号評価試験、日本語A2.2相当以上
- 本人の意向による転籍が可能になるまでの期間(転籍制限期間):1年
育成就労技能評価試験(初級)の開始は、2027年4月の育成就労制度の開始以降が予定されています。
キャリアパス
物流倉庫分野は特定技能1号のみで、在留期間は通算5年が上限です。
国土交通省は、育成就労と特定技能1号を通した「育成・キャリア形成プログラム」を策定することとされています。①講習受講・資格取得 ②日本語能力 ③マネジメント経験 を含む内容で、国土交通省のページに掲載されます。
5. 外国人材の主な採用ルート
| ルート | 内容 | 物流倉庫分野での現状 |
|---|---|---|
| 技能評価試験の合格者を採用 | 試験に合格した人を国内外から採用 | 試験が未実施のため、現時点ではこのルートは使えません |
| 技能実習からの移行 | 技能実習を修了した人を採用 | 技能評価試験の合格が必要(免除対象なし) |
| 育成就労からの移行 | 育成就労を修了した人を採用 | 2027年4月の制度開始以降 |
| 他分野・他社からの転職者 | 物流倉庫分野の試験合格者を採用 | 試験開始後 |
| 留学生からの切替え | 試験に合格した留学生を採用 | 試験開始後 |
採用ルートの詳しい比較は特定技能人材受入の流れをご覧ください。
6. 採用から就労開始までの流れ(いま準備できること)
受入れ開始の時期は未公表ですが、条件はすでに確定しています。 情報が出てから動き始めるより、先に社内を整えておくほうが早く受け入れられます。
- 自社が3類型(A・B・C)のどれに当たるかを確認する。 いずれにも当たらない場合は対象外です(2節)
- 類型Bの場合は、委託元の倉庫業者との協定書を準備する。 雇用の継続と転職支援の補助について取り決めます
- 類型Cの場合は、倉庫作業料金の収受の形を確認する。 運賃に含めている作業は対象外です
- 入庫・在庫・出庫の管理システムの利活用状況を棚卸しする。 所有は不要ですが、就業する事業所で使える状態である必要があります
- 連携して機能を拡充する機器・システムを検討する。 協議会加入から1年以内に報告します
- 支援体制を自社で行うか、登録支援機関に委託するかを決める
- 国土交通省のページで、協議会の設置と試験の開始を確認する
協議会の加入受付と試験が始まったら、協議会への加入 → 雇用契約 → 支援計画の作成 → 在留資格の申請、と進みます。手続きの詳細は特定技能の申請・準備をご覧ください。
7. 物流倉庫分野特有の留意点とコンプライアンス
「システムの導入が必須」ではない
条件は「利活用」です。所有も購入も必須ではありません(3節)。
「協議会に受入れから4か月以内」ではない
協議会への加入は在留諸申請の前です。「加入から1年以内」という期限があるのは、システムの利活用状況の報告のほうです。
対象になる事業者は倉庫業者だけではない
倉庫業の登録を受けた倉庫業者だけでなく、その委託を受けて倉庫作業を行う会社と、貨物自動車運送事業の許可を受けた事業者も対象です(2節)。自社は対象外と早合点しないでください。
派遣では受け入れられない
直接雇用に限られます。違反すると5年間受け入れられなくなります。
自動車運送業分野との違い
ドライバーとして運転業務に従事する場合は、物流倉庫分野ではなく自動車運送業分野です。物流倉庫分野は倉庫内の作業に限られます。
機器の操作の範囲
フォークリフトなどの機器の操作がどこまで業務に含まれるかは、2026年9月21日時点の公表資料では明示されていません。国土交通省物流・自動車局にご確認ください。
情報が更新されたら確認する
試験の開始時期と協議会の設置は調整中です。国土交通省のページで最新の状況をご確認ください。
まとめ
- 物流倉庫分野は2026年1月23日に特定技能の対象に追加され、19分野になりました
- 業務区分は「物流倉庫」の1つ。倉庫内の入出庫・保管などの作業が対象で、包装されていない食品に直接触れる業務はできません
- 受け入れられるのは、①倉庫業者 ②その委託を受けて倉庫作業を行う会社 ③貨物自動車運送事業者 の3類型です
- 入庫・在庫・出庫の管理システムの利活用が条件です。所有は不要です
- 直接雇用に限られ、派遣はできません
- 特定技能1号技能評価試験の開始時期と協議会の加入受付開始時期は、2026年9月21日時点で未公表です
- 条件は確定しているため、いまのうちに社内の準備を進められます
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参考資料
| 資料 | 発行 | 公開・更新 | 確認日 |
|---|---|---|---|
| 物流倉庫分野における特定技能外国人・育成就労外国人の受入れについて | 国土交通省 | 令和8(2026)年9月時点 | 2026-09-21 |
| 分野別運用方針(物流倉庫分野) | 法務大臣・国土交通大臣ほか | 令和8年1月23日 閣議決定 | 2026-09-21 |
| 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領―物流倉庫分野の基準について― | 法務省・国土交通省 | 令和8年9月18日 公表 | 2026-09-21 |
| 上乗せ基準告示(特定技能・令和8年国土交通省告示第787号) | 国土交通省 | 令和8年6月26日 公布 | 2026-09-21 |
| 特定技能制度に係る制度の運用に関する基本方針・分野別運用方針・運用要領 | 出入国在留管理庁 | — | 2026-09-21 |