在留資格によって違います。技術・人文知識・国際業務には一律の負担義務はありませんが、厚生労働省の指針で事業主が努めるべきことが定められています。技能実習と特定技能には、負担の定めがあります。
1. 技術・人文知識・国際業務の場合
法令に「会社が負担する」という一律の定めはありません。ただし厚生労働省の指針は、事業主が次の2つに努めることとしています。
・在留期間が満了し、在留資格の更新がなされない場合
雇用関係を終了し、帰国のための諸手続きの相談その他必要な援助を行う
・本人が病気などやむを得ない理由で帰国旅費を支弁できない場合
その旅費を負担する
つまり「本人負担が原則」ではありません。事情によっては会社が負担するよう努めることが求められています。
2. 募集の段階で明示することが求められています
同じ指針は、国外に住んでいる方を募集する場合について、渡航または帰国に要する旅費その他の費用の負担の有無や負担割合、住居の確保などを、あらかじめ明確にするよう努めることとしています。入国後に「聞いていた話と違う」というトラブルを防ぐためです。
3. 技能実習・特定技能には負担の定めがあります
技能実習:帰国事由が自己都合の場合も含め、監理団体(企業単独型技能実習の場合は事業主)が帰国旅費を負担します。
特定技能:本人が契約終了後の帰国旅費を負担できないときは、受入れ機関が負担します。出国する空港・港への送迎は義務的支援に含まれ、その費用を本人に負担させることはできません。
4. 契約に書いておくこと
・入社時の渡航費:誰が、いくらまで負担するか
・帰国時の旅費:会社都合の場合と自己都合の場合で分けるか
・引越費用:初回の住居確保にかかる費用を含むか
・一時帰国:休暇の扱い(指針は休暇取得への配慮を求めています。特定技能では、一時帰国を希望した場合に必要な休暇を取得させることとされています)
雇用契約書または労働条件通知書に書き、本人が理解できる言語で説明したうえで控えを渡してください。
5. 返還を求める取り決めには注意が必要です
「一定期間内に退職したら渡航費を返す」といった取り決めは、内容によっては労働基準法第16条(賠償予定の禁止)に触れるおそれがあります。不安がある場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーへご相談ください。
※2026年9月時点の情報です。出典:厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(平成19年厚生労働省告示第276号)、出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」