ベトナム社会主義共和国について

おもな送出国の情勢
VIETNAM SITUATION

ベトナムの理解を深めるために

ベトナム基本情報

北は中国、西はラオス、カンボジアと国境を接し、東と南は南シナ海に面しています。国土面積は日本の0.88倍、南北に伸びた縦長な国土が特徴で、南と北では言葉も違い、考え方も大きく違っているところに、ベトナム戦争の爪痕が感じられます。
また、ベトナムは多民族国家で、およそ9割を占めるキン族のほかに少数民族が53民族もあり、その多くは高原地方や山岳地帯で暮らしています。
公用語はベトナム語。歴史的にフランスと中国から影響を受けているため、表記はアルファベットながら起源は漢字なので、中には日本語と似ている単語もあります。

地図

ベトナムの経済状況

1995年~1996年には9%台の経済成長率を記録し、アジア経済危機の影響から一時成長が鈍化したものの、海外直接投資の順調な増加も受けて2000年~2010年の平均経済成長率は7.26%と高成長を達成。2010年に(低位)中所得国となりました。
2011年以降マクロ経済安定化への取組に伴い、一時成長が鈍化しましたが、過去数年はASEAN域内でもトップクラスの成長率を達成しています(外務省ホームページより)。
平成29年の国籍別外国人技能実習生の割合調査では、全体の45%と中国を抜いて最大となったベトナム。その魅力は、一言でいえば人件費が中国やタイより安く、しかも労働者の質は中国並みに高いという点にあります。ただし、人件費は近年上昇傾向にありますので、今後は安い人件費に着目するのではなく実習生の性格やモチベーション、送出機関の教育や職業訓練のレベルで判断するのがよいと考えられます。

ベトナムの教育事情

学校教育制度が一本化されたのは1989年になってからで、1975年の統一前までは南北の教育制度は異なっており、統一後の1981年に旧南ベトナムの制度を採用することになりました。
ベトナムの就学率は5年制の小学校で94.8%、4年制の中学校で83.8%、高校54.7%、大学20%、識字率は90%であることから、教育水準は、東南アジアの各国に比べ、非常に高いといえます。
教育への関心も高く、とりわけホーチミンやハノイなどの都市部では子どもにより良い教育を受けさせたいと思っている保護者も多いようで、低所得国のわりに収入における教育費の割合も高いです。

日本とベトナムの関係

ベトナムは平均年齢30歳と働き盛りの世代が多くを占めることもあり、ポテンシャルが評価されてさまざまな国が投資しています。日本はその中でも最大の投資国で、日本からベトナムへのODAは2013年までに230億ドル、インフラや医療、教育面での支援も行なっています。このようにベトナムの経済・社会の近代化に貢献してきたことがあり、ベトナム人には親日家が多いといわれています。

ベトナム人の性格

ベトナム人といえば、着物や西陣織の帯刺繍、オーダーメイド服などの縫製技術の高さに定評があり、手先が器用なことで知られています。その上勉強熱心でダブルスクールや習い事をしている人が多く、新しい知識を貪欲に吸収していく姿勢が感じられます。
また、ベトナムの家庭は女性が中心のいわゆるかかあ天下です。戦争で男手を取られ女性が社会生活を守ってきた歴史的背景からか、とにかくベトナム人女性は働き者で優しく、その女性を助ける真面目な男性も数多くいます。