あります。技能実習生の賃金には、すべての労働者に共通するルール(労働基準法・最低賃金法)に加えて、技能実習に固有のルール(技能実習法)がかかります。とくに後者は、守れていないと技能実習計画の認定が下りません。
技能実習に固有のルール——「日本人と同等以上」
- 技能実習計画の認定基準として、報酬の額が同じ業務に従事する日本人と同等以上であることが求められます。最低賃金を払っていれば足りるわけではありません
- 同等以上であることを説明する書類を計画認定の申請時に添付し、説明を求められます
- 報酬からの不当な控除、待遇についての日本人との不当な差別は禁止されています
- 優良な実習実施者の評価項目には「1号技能実習生の賃金と最低賃金の比較」「各段階の昇給率」が含まれます。賃金水準は3号(4〜5年目)の受入れにも影響します
すべての労働者に共通するルール
- 支払いの5原則(労働基準法第24条):通貨で・直接本人に・全額を・毎月1回以上・一定の期日に支払います
- 最低賃金以上(最低賃金法):下回る額で合意しても無効で、最低賃金額で契約したものとみなされます。地域別最低賃金と特定最低賃金(産業別)の両方が当たる場合は高いほうが適用されます
- 厚生労働省が示す減額特例の対象(試用期間中の人など5類型)に技能実習生は含まれていません。「実習中だから」という理由で下回ることはできません
- 2026年9月22日時点で適用されている令和7年度の地域別最低賃金は全国加重平均1,121円(最高1,226円・最低1,023円)。令和8年度の改定額は2026年10月以降に順次発効する見込みです(目安どおりなら加重平均1,176円)。額は毎年変わるため、都道府県ごとの最新額は最低賃金法(用語集)と厚生労働省の地域別最低賃金の全国一覧で確認してください
賃金から引けるもの・引けないもの
- 引けるもの:法令で定められたもの(税金・社会保険料)と、労使協定で定めたもの(寮費・食費など)
- 寮費・食費の控除額は実費を超えてはいけません。技能実習計画にも項目と額を記載し、実習生と適正な額で合意している必要があります
- 引けないもの:使途を明らかにできない「管理費」などは、協定があっても控除できません。実習終了時の帰国旅費や、監理団体の監理に要する費用を実習生に負担させることもできません
賃金台帳の作成・保存、口座や通帳の扱い、強制貯金の禁止については支払う賃金以外に、お金がらみで気を付けることや禁止されていることは何ですか?で説明しています。
入国後の講習期間は賃金の対象外
入国直後の講習(原則2か月。技能実習1号の活動時間の6分の1以上)は雇用関係がなく、賃金は発生しません。賃金の支払いは、講習を終えて実習実施者との雇用が始まってからです。
2027年4月に始まる育成就労制度では、本人の希望による転籍が認められるため、賃金水準はそのまま人材の定着に直結します。制度の切り替えで企業に何が求められるかは外国人技能実習制度のページにまとめています。